A5・288頁・カラー48頁
予価:1680円(税込み)
椿姫、フィガロの結婚、蝶々夫人、カルメン…………
おなじみの作品から、日本初演作品まで
これからの一年間(2004年9月から2005年8月)に
日本国内で上演予定の72作品の
あらすじと、観ところ、聴きどころを解説。
さらに、予定されている約460公演のデータも収録。
「いつ」から引く……その日、どこで何が上演されるかが分かります。
「なにを」から引く……そのオペラが、いつ、どこで上演されるかが分かります。
「だれが」から引く……興行団体ごとに、何を、いつ、どこで上演するかが分かります。
「どこで」から引く……劇場ごとに、どの作品がいつ上演されるかが、分かります。
<編著者> 岸 純信(きし すみのぶ)
オペラ研究家。1963年生。関西大学法学部卒。高校在学時より声楽のピアノ伴奏に従事。
(株)河合楽器製作所、昭和音楽大学勤務を経て現職。日本ヴェルディ協会編集委員。
音楽雑誌への寄稿をはじめ、DVD「永遠のマリア・カラス」(ポニーキャニオン)ブックレットなど、執筆多数。
共著に『栄光のオペラ歌手を聴く!』(音楽之友社)、『オペラって何?』(新書館)。
訳書に『マリア・カラスという生きかた』(アン・エドワーズ著 音楽之友社)。
現在、クラシックジャーナル誌に「19世紀のフランス・オペラ」についての連載を執筆中。
17世紀初頭の発祥以来、世界各地で生まれたオペラの数は3万とも5万とも言われています。しかし、21世紀の現時点で実際に観たり聴いたりすることが可能な演目は、果たしてどのくらい存在するのでしょうか。
一例として、筆者が資料として手元に置いている音源や映像を勘定したところ、2004年6月末現在で1024曲になりました。この数は目安としては少なめのものです。独墺圏のオペレッタやスペインのサルスエラ、英国のギルバート&サリヴァンの作品といったレパートリーを愛好される方だと、この数に、さらに何十曲と上乗せされることと思います。
このほか、楽譜から体様を辿ることが可能な演目も勿論あります。例えば、筆者の手持ち分だと、ごく僅かな数ですが、現時点で74曲のスコアが復活の時を待っています。その中には、かつてはプッチーニの《蝶々夫人》と並び称された《お菊さん(マダム・クリザンテム)》(メサジェ)など、アリア一つだけなら録音で聴けるものもあり、皇帝ナポレオンの大のお気に入りで、音楽史上でも重要な位置を占める割には、未だに省みられないままの《オシアン》(ル・スュール)といった大作なども含まれる次第です。
そのような枠取りを基に考えてみると、2004年9月から2005年の8月までの一年間に、日本で約70の演目が観られるというのは、なかなかの活況であると筆者は感じます。《愛の妙薬》や《ラ・ボエーム》のように、その誕生以来変わらぬ人気を保つヒット作から、ロッシーニの《とてつもない誤解》やヤナーチェクの《運命》のように今回が日本初演となる演目まで、いろいろと幅広く接することが出来るという現況は、一ファンとしても嬉しい限りです。
今回、このガイドブックを発刊するにあたり、筆者は二つの事柄を念頭に置きました。一つは、オペラに初めて興味を持たれた方に、近々、ぜひ実演に足を運んで頂きたいという希望、そしてもう一つが、オペラに日々接しておられる方に、さらにもう一つ、新しい演目に接して頂ければという期待です。そのため、まずは公演予定のデータを充実させるべく腐心しました。やはり首都圏での上演が多くなりましたが、外国の歌劇場の来日公演でも全国を巡回するものがいくつもありますし、地域の団体の定期公演も盛んに行われているようです。頁数の都合で、今回はハイライトの公演をほとんど紹介できなかったのが心残りですが、本書は、今後定期的に刊行したいと考えていますので、読者の皆さんからのご要望やご指摘、それに各種の情報なども頂戴しつつ、これからさらに内容を発展させられるよう、努めてゆきたいと思います。
なお、本書で取り上げた演目には、参考ディスクを一点ずつ併記しました。今回は映像を中心に紹介しています。国内でも多くの映像がDVDで発売され、日本語の字幕もついていることで、未知の演目に触れやすい媒体として優先的に推薦しました。
個性のない人間など存在しないように、どのオペラもそれぞれ独自の個性を持っているはずです。本書を手にされた方が、演目に潜む豊かな味わいを、ご自身の目と耳で一つでも多く探り出して下さるならば、筆者にとりましても望外の喜びです。
岸 純信