小谷野敦のカスタマーレビュー2002〜2012
小谷野敦・著
四六判・並製 304頁
本体2200円(税込2310円)
ISBN978-4-87198-655-7

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小説、映画、評論、エッセイ、学術書について、某巨大ネット書店のカスタマーレビューに実名で書いた酷評と賛辞、735本。
3月下旬、衝撃の発売
【著者・まえがきより】
酷評が多い。ざっと見渡してみると、世評の高い映画を酷評していることが多く、それだけ映画評論の世界が腐敗していること、及び、鑑賞者の眼も衰えている、つまり愚民化していることを示していると思う。ただ、書籍にせよ映画にせよ、否定的に書くのは、なるべく、世評が高いものに限ることにしている。賞をとったりしたものがひどかった場合は、特に酷評になっている。それは当然のことで、世間から見捨てられているようなものは、私だってわざわざ観たり読んだりしないし、そんなものを酷評する意味がないからである。
小谷野 敦(こやの とん)
1962年茨城県生まれ、埼玉県育ち。東京大学文学部英文学科卒。同大学院比較文学比較文化専攻博士課程修了、学術博士。元大阪大学言語文化部助教授。比較文学者、作家。2002年に『聖母のいない国』でサントリー学芸賞受賞。
評論や評伝に『もてない男』『恋愛の昭和史』『谷崎潤一郎伝』『里見ク伝』『久米正雄伝』『現代文学論争』『猿之助三代』など多数。
小説に『悲望』『童貞放浪記』(映画化)『美人作家は二度死ぬ』『中島敦殺人事件』『母子寮前』(芥川賞候補)
当社から『東海道五十一駅』『遊君姫君(ゆうくんひめぎみ) 待賢門院と白河院』がある。 |
小谷野 敦『遊君姫君(ゆうくんひめぎみ) 待賢門院と白河院』
四六判 上製 256頁
本体1900円
ISBN978-4-87198-653-3
 
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大河ドラマ「平清盛」の時代が舞台。
藤原氏による摂関政治から王家・白河院による院政へ、そして武家へと権力が奪取されるまでの歴史を、王家の側から描写。
王家の権力闘争と、禁じられた性愛の官能美を、冷徹な筆致で描く王朝絵巻。
待賢門院璋子とは…、祇園女御とは…、
史料を基に、詳細に考証を重ねた、著者渾身の歴史小説。
――その一部を抜粋
【 法皇はすこぶる熊野信仰の念が厚く、この年、四度目の熊野詣を考えていた。この年は九月に閏があったのでその月に出発することにして、前の九月に璋子に会おうと考え、九月二十日の夜、璋子は密かに退出して正親町第に入り、二十五日まで法皇と居を共にした。そして閏九月七日、熊野詣に出発した。その月、璋子は月のものを見なかった。さては、と思った。先月の法皇との逢瀬で懐妊したのではないか。その想像で、璋子は喜びに打ち震えた。璋子は十八歳だった。天輪の許に男児が生まれたばかりであるから、院は六十五歳で、二人のわが子の誕生に廻り逢ったことになるが、よもやその二人が、三十六年後に、院が予想した、都を舞台とする戦乱において、敵味方に分かれるとまでは、どうして知ろうか。
十月五日、法皇が熊野詣から無事帰還して正親町第に入ると、逸早く、中宮が懐妊したらしい、ということが密々に伝えられた。
(わしの子だ)
法皇も歓喜した。むろん、生まれた子は表面上は帝の子ということになる。…】
256頁の長編ですが、読み込むほどに語彙の豊富なことに魅了されます。文学者・小谷野敦ならではの歴史小説。
小谷野 敦(こやの とん)
1962年茨城県生まれ、埼玉県育ち。東京大学文学部英文学科卒。同大学院比較文学比較文化専攻博士課程修了、学術博士。元大阪大学言語文化部助教授。比較文学者、作家。2002年に『聖母のいない国』でサントリー学芸賞受賞。
評論や評伝に『もてない男』『恋愛の昭和史』『谷崎潤一郎伝』『里見ク伝』『久米正雄伝』『現代文学論争』『猿之助三代』など。小説に『悲望』『童貞放浪記』(映画化)『美人作家は二度死ぬ』『中島敦殺人事件』『母子寮前』(芥川賞候補)『東海道五十一駅』がある。 |
震災日記
長野県栄村2011年3月12日―4月12日
松尾 眞 著
四六判・上製・244頁
本体・1900円・税込1995円
ISBN-978-4-87198--654-0 C0036
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3月11日の東日本大震災の翌日、日本一の豪雪地帯、長野県・栄村を襲った震度6強の大地震。村は壊滅。
村民=被災者である松尾眞(京都精華大准教授)は、当日から、ネット発信し続けていた!!
ネット発信は単なる状況報告を超えた。その時何ができ、何を求めるべきか。必読のドキュメント!
まずは「行動ありき!!」
《栄村が「東日本大震災」の被災地に含まれないと知った松尾氏は4月2日、「どなたか菅首相に、栄村のことを伝えてくれませんか」とレポートに書いた。そして4月6日、当時の菅首相から栄村の村長へ電話が!!》
【村の自然や土地、村民の暮らしへの深い思いに寄りそい、行動する被災者の迫真の日記】
(1)【被災者に何ができるのか、何をなすべきか、行動指南の書】。被災直後からの実際の行動、義援金、ボランティアの募集、行政への要望、マスメディアへの訴えなど、行動する被災者とならざるをえなかった著者の、当時の「思い」を伝える。
(2)【被災地ゆえの情報発信・ネットワークは何をもたらすか、情報伝達指南の書】。道路もライフラインも断ち切られる現地。不安いっぱいの村民への情報伝達・コミュニケーションの重要さが、説得力をもって展開される。またネット発信は、阪神や中越などの人々とその経験談を結び、復旧・復興にむけての大きな力となる現実を伝える。
(3)【村に暮らす研究者=「よそ者」だから伝えられる村への深い思い。村と都会を結ぶ書】。著者は〈NPO栄村ネットワーク〉の理事の一人として村に深く関わってきており、随所に都会と栄村の人々を結ぶ言葉が散りばめられる。東日本大震災の復興が最大の課題の今、栄村のみならず、広く農山村と都会を結ぶ伝達の書としての役割も果たす。
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見沢知廉『背徳の方程式─MとSの磁力』――獄中作品集――
四六判・上製・248頁
本体価格1900円・税込1995円
ISBN-978-4-87198-651-9
発売中
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『天皇ごっこ』で衝撃のデビューを飾り、46歳で自殺した鬼才の、
獄中で書かれた未発表・初期作品集
遺品から発見された、未発表原稿。
「主観的な真実」を信じ抜いた 作家の原点。
【収録作品】
『背徳の方程式─MとSの磁力』
バブル経済に浮かれる時代の外務省キャリアの一家を主人公に、サディズムとマゾヒズム、価値の変換、両極の同位性を追求した傑作。リアリズムの極致とファンタジーが交錯する。
『人形―暗さの完成』
若者の偏執的な愛情を描く。三次元から二次元へのスライドと狂気。
『七八年の神話』『獄中十二年』
一九七八年三月二十六日の成田空港開港阻止決戦、三里塚闘争をユーモラスに描く。生き生きと描写される新左翼活動家たちの闘争は、まさに現代の神話。
【見沢知廉・みさわ ちれん】
1959年8月23日生まれ 新左翼活動家から新右翼活動家を経て、作家。1982年イギリス大使館への火炎瓶ゲリラやスパイ粛清事件等で逮捕。東京拘置所、川越少年刑務所、千葉刑務所にて12年間収監。1994年獄中で書いた『天皇ごっこ』で新日本文学賞佳作。同年12月満期出所。2005年9月7日横浜市戸塚区の自宅マンション8階から転落し、死去。遺族は自殺と公表。今年は七回忌にあたる。 |
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小谷野敦
『東海道五十一駅』
四六判・上製・240頁
本体価格・1800円・税込1890円
ISBN-978-4-87198-652-6
発売中
 
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これぞ、私小説。
『母子寮前』で本年度上期芥川賞候補(話題を呼ぶが名誉の落選)となった、
『もてない男』小谷野敦の、ファン待望の最新作。
【収録作品】
『東海道五十一駅』
大阪での大学の教員時代、電車に乗れなくなる神経症を描いた中編。
「私は五十一の駅を、何度も何度も通過した。
そして一つ一つの駅が、黙って私の苦しみを眺めていたのだ。」
『ロクシィの魔』
通俗小説作家が、SNS「ロクシィ」を通して出会う変わった女たちとの交際。
どこまでが作者の実体験か、すべてフィクションなのか。現代の「性」がここに。
『あなたの肺気腫を悪化させます』
禁煙ファシズムの行く末を描く、近未来小説。
【小谷野 敦・こやの とん】
1962年生まれ。比較文学者、作家。東京大学英文学科卒、同大学院比較文学比較文化専攻博士課程修了。
学術博士。『聖母のいない国』(青土社、河出文庫、サントリー学芸賞受賞)など著書多数。小説『母子寮前』で芥川賞候補に。 |
叢書20世紀の芸術と文学
マーラー輝かしい日々と断ち切られた未来
前島良雄【著】
ISBN978-4-87198-572-7
A5・上製・312頁
本体
・2600円(税込2730円)
 
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不遇でもなく、死の影に脅かされたものでもない、
輝ける音楽家人生。
作られた神話、あるいは俗説・通説を
徹底的な資料の検討によって覆す。
かつてないマーラー論にして、スリリングな評伝。
【本書で覆される、通説、俗説、伝説、神話…】
・マーラーは不遇だった。
・第一交響曲は小説『巨人』に基づいて作曲された。
・第六交響曲第一楽章の副主題はアルマを描いたものである。
・第七交響曲のタイトル《夜の歌》はマーラーが付けた。
・第八交響曲の《千人の交響曲》はマーラーが認めた題である。
・マーラーは第九のジンクスに怯えていた。
・マーラーは長年患っていた心臓疾患が悪化して亡くなった。
・ベートーヴェンの第六番をニューヨークで初めて指揮した。
・そして、最大の虚構――マーラーは死の影に脅かされていた。
《なぜ、何度も何度も「マーラーの時代が来た」と言われるのか。……。
そして、「マーラーの時代が来た」という表現が飽きることなく繰り返し使われるということは、「マーラーは世に受け入れられていなかった」「マーラーは不遇であった」「マーラーの生涯は死の影に脅かされたものであった」といったたぐいの、マーラーに関するネガティヴな「神話」が絶えず再生産されていることに対応しているのであろう。
そのような、マーラーに対してのネガティヴな「神話」を検証していきたい。また、併せて、そのような「神話」がどのようにして作られたのかということも多少なりとも解明できればと思う。――「はじめに」より――》
前島良雄(まえじま よしお)
一九五五年名古屋生まれ。マーラー研究家・翻訳家。国際マーラー協会会員、日本シベリウス協会維持会員。
訳書に『マーラー 交響曲のすべて』(コンスタンティン・フローロス著、前島真理との共訳、藤原書店)、
『マーラーの妻への全書簡』を翻訳中。 |
叢書20世紀の芸術と文学
巨匠フルトヴェングラーの生涯
ヘルベルト・ハフナー著 最上英明・訳
ISBN978-4-87198-571-0
A5判・上製
552頁
本体・4700円(税込4935円)
(卷末に、参考文献、原注。人名索引)
※高額ですが、上・下2冊にすると、さらに高額になるため、2段組で一冊にしました。
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20世紀を代表する名指揮者フルトヴェングラーの生涯
これまでの風説・俗説を正すべく、膨大な史料を探求。当時の新聞・雑誌の記事、同時代人の証言、手紙、日記などから、巨匠の人生の真の姿を明らかにする。
【本書で初めて明らかにされたことの例】
☆ザルツブルクに「アンチ・バイロイト」を樹立しようとしたがヒトラーにより阻止されたこと
☆若き日、ミュンヘン時代のボヘミアンとの関係
☆音楽学者ハインリヒ・シェンカーとの関係
☆父親としての芸術家像、妻以外の多くの女性との間に生まれた子ども達との交流が初めて描かれる。
など、
フルトヴェングラーの評伝では、著者の立場により、評価が両極端であることが多い。ナチの同調者だとして道義的に糾弾されたかと思えば、逆に、ナチ政権からの迫害者を救済し体制に抵抗した人物として称賛されたりもする。本書はあくまで「事実」を探求し、その人物の評価は読者に委ねられる。
さらに、ドイツ現代史の背後関係についても言及し、ドイツの4つの政治体制(帝国、
ワイマール共和制、ナチス、東西分裂)を扱った年代記的な性格も有する。
【著者・ヘルベルト・ハフナー】
フライブルク在住。フリーの文化ジャーナリストとして、国内外の新聞、雑誌、放送局に寄稿。18世紀から現代までの劇場、ドラマの翻案、現代の音楽界に関する出版・放送番組が多い。レハールの評伝、「世界のオーケストラ」などの著書がある。2003年のフルトヴェングラーの評伝(本書)で絶賛を浴び、2007年には『ベルリン・フィル あるオーケストラの自伝』(邦訳:市原和子・訳、春秋社・2009年8月刊行) 、2009年にはストコフスキーの評伝を出版している。 |
叢書20世紀の芸術と文学
ベルリン・フィル その歴史秘話
菅原 透 著
ISBN978-4-87198-570-3
A5判・上製
192頁
貴重な写真、多数掲載
本体・2200円(税込2310円)
 
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世界で最も有名なオーケストラの創成期から第二次大戦終了までの歴史
著者が歩いて探し、丹念に調べたあまたのコンサート記録から辿る歴史的な音楽シーン。
ベルリン・フィル誕生の経緯、忘れられた常任指揮者、戦前に8人もいた女性指揮者、初期の国外演奏ツアー、…などなど。貴重な写真を添えて、ベルリ・フィルの戦前の情景を再現します。
【知られざる12のエピソード】
ビルゼとベルリン・フィル/旧フィルハーモニー・ホール/ハウスディリゲント/
指揮台に上がった女性指揮者たち/ニキシュとヴァインガルトナー/
ベートーヴェンに魅せられる演奏会/アルトゥール・ニキシュの死/
日本人演奏家たち/恐るべき子どもたち/
ベルリン・フィルの中に消えた もう一つのオーケストラ/
王宮コンサート/旅行オーケストラ
「クラシックジャーナル」022〜034に連載したものを、全面的に改稿して単行本化。
【著者・菅原 透】
1962年生まれ、音楽史研究。書籍取次会社に勤務の後、勉学と研究のためベルリンに滞在。特に20世紀前半のドイツ音楽界を中心に、膨大な公演記録を基にして、詳細な歴史の再現を試みる。著書に『ベルリン三大歌劇場 激動の公演史 [1900−1945]』(アルファベータ)
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アルファベータ 新刊案内
2010年7月10日発売予定
鈴木淳史(すずき あつふみ)著
ISBN978-4-87198-569-7
B6判・並製・184頁
価格本体・1400円(税込1470円)

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異端こそ、名演である。
クラシック音楽批評を混乱・混迷させてきた鈴木淳史が放つ大問題作。
すでに数多く出されている洋泉社y新書や青弓社の音楽書で、ファンの心をとらえて離さない鈴木淳史の、待望の新刊書です。
可笑しさタップリ、いや、「ウーン」と人を唸らせて「参った」と思わせる、鋭くもしなやかな批評。正統と異端、二律背反する思考回路をみごとに表現する筆致に乾杯!!
【クラシックは清く正しく美しい音楽です。だから、それに合致しない演奏は「異端」であり、心して排除していかなければなりません。曖昧なものを曖昧なままにして語ることをわたしは好みません。この本を通して、そうした曖昧さに別れを告げ、強く美しく正しい音楽とたくさんめぐり逢っていただきたいと、実に曖昧な気持ちのまま、心にもないことを願う次第です。うくく】
【もちろん、異端を異端として楽しむのは、ずいぶんと窮屈な楽しみ方であることは承知だ。もっと耳も心もオープンにして、異端も正統も関係ない、自由な聴き方をすればいいではないか。
ごもっとも。わたしもそれが理想だと思う。しかし、世界観という名のもとに、周囲を勝手に壁で囲ってしまって、あえてそのなかでセコセコと楽しむ、この濃密なことよ】
本書は「クラシックジャーナル」022〜035に連載した「クラシック異端審問」と、036〜039に連載した「クラシック微妙系」をベースに4回分を加筆し、訂正して単行本化。
そこで、採り上げられる音楽家は、【ニコラウス・アーノンクール/マリオ・ヴェンツァーゴ/ヴェルナー・ハース/ジャン・フルネ/フィリッペ・ヘレヴェッヘ/オラシオ・グティエレス/ジョス・ファン・インマゼール/シルヴァン・カンブルラン/ルネ・ヤーコプス/ダニエル・バレンボイム/グスタフ・レオンハルト/マレク・ヤノフスキ/デニス・ラッセル・デイヴィス/ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団/リチャード・ヒコックス/ピエール・ブーレーズ/アレクサンドル・タロー/アレクサンダー・ギブソン/エマニュエル・クリヴィヌ/ジョナサン・ノット/トマス・ダウスゴー/尾高忠明】
著者・鈴木淳史(すずき あつふみ)の既刊書
洋泉社y新書:「 わたしの嫌いなクラシック」「背徳のクラシック・ガイド」「萌えるクラシック」他
青弓社:「クラシック・スナイパー」(1)〜(6〉、「クラシック反入門」(共著)、他。他社刊行も多数 |
2010年5月10日発売中
ブリギッテ・ハーマン著 鶴見真理訳 吉田真・監訳
下巻:戦中・戦後編 ISBN978-4-87198-568-0
A5判・上製
392頁前後(本文中に写真多数)
本体・3800円(税込3990円)

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バイロイト音楽祭に情熱を捧げ、二つの世界大戦と戦後をヒトラー側の人間として生きた女性の波瀾に富んだ生涯を、徹底した取材をもとに再現した一大労作。
戦争が始まっても、バイロイト音楽祭は続く。ヴィニフレートはユダヤ系の人々の救援活動によってナチ政権との緊張が高まり、ヒトラーと会えないまま敗戦を迎えた。戦後、ヴィニフレートは非ナチ化審査を経て引退するが、ヒトラーとの友情を否定しなかった女性として改めて注目されるようになる。
価値観が激変した時代の人々の生き様を、膨大な資料をとに浮き彫りにする、
20世紀そのものを描いた歴史大作。
【監訳者あとがきより】
戦後のバイロイト音楽祭の「非ナチ化」のために、ヴィニフレートが「いけにえ」になったことは周知の事実だが、その正当性に何の疑念も抱いていない読者があったとすれば、本書によって大いに認識が改められるはずである。一方で、ワーグナー家の中でヴィニフレートとは反対に、いわば「反ナチ」のアリバイとして世に知らされた人物たち、彼女の夫ジークフリート、長男のヴィーラント、長女のフリーデリントらが、必ずしも国粋主義、反ユダヤ主義、国家社会主義あるいはヒトラーその人と無縁ではなかったことが、容赦なく浮き彫りにされている(だからといって、けっして糾弾調になっていないことが、歴史家としての著者の特長である)。
もともとイギリス人の孤児だったヴィニフレートが、もしワーグナー家に嫁として入らなかったら、もしナチス時代のドイツに生きていなかったら、というのは虚しい仮定にすぎないが、その人生は全く違ったものになり、立派な生涯を称えられる女性になった可能性もあるのではないか。巨大な運命に翻弄された生涯を送った人間はむろん彼女ばかりではないが、ことナチス時代に関する限り、その崩壊から六十年以上を数える現在もなお、その爪跡の大きさに慄然としないわけにはいかない。
政治と芸術そして個人の生き方を、改めて考えさせられる貴重な大著。
上巻:戦前編
ISBN978-4-87198-567-3
2010年2月下旬刊、好評発売中 |
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叢書 20世紀の芸術と文学
ブリギッテ・ハーマン著 鶴見真理訳
吉田 真 監訳
上巻:戦前編
ISBN978-4-87198-567-3
2010年2月下旬発売予定
A5判・上製448頁(本文中に写真多数)
本体・3800円(税込3990円)

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バイロイト音楽祭に情熱を捧げ、二つの世界大戦と戦後をヒトラー側の人間として生きた女性の波瀾に富んだ生涯を、膨大な資料をもとに再現。20世紀そのものを描いた歴史書といえる評伝。
【ヴィニフレート】は、1897年に英国人に生まれたが、両親とも幼いときに亡くなったため、ドイツの親戚の養女となり、18歳で46歳のジークフリート・ワーグナー(作曲家リヒャルト・ワーグナーの息子)と結婚。ドイツ音楽界に君臨する一族の嫁となる。4人の子を産んだ後、1930年、33歳の若さで夫ジークフリートを亡くし、バイロイト音楽祭総監督として切り盛りしていくこととなった。時代は、ナチ政権誕生前夜。ヒトラーが政権を取る前の不遇な時代からヴィニフレートは彼を支援し、政権獲得後は、ヒトラーがヴィニフレートとワーグナー一族、そしてバイロイト音楽祭を支援した。戦時下は、総統の指令で音楽祭が挙行されたのだ。
一方、ヴィニフレートはヒトラーとの関係を駆使して、多くのユダヤ人を救った側面もある。
ヒトラーと最も長く深い関わりを持った女性として、戦後厳しく批判されながらも、ヒトラーとの友情を否定せず、1980年まで生き抜いた。死の数年前のインタビューで彼女は言った、「もしヒトラーが今日、今、ドアを開けて入ってきたら、また一緒に過ごせるのね、心から嬉しいと喜ぶわ」
情熱の女性、ヴィニフレートの生涯を縦軸に、ナチスの時代を縦横無尽に描いた大著。
【バイロイト音楽祭】は、ドイツ連邦バイエルン州北部フランケン地方にある小都市バイロイトのバイロイト祝祭劇場で毎年7月から8月にかけて行われる、ワーグナーの歌劇・楽劇を演目とする音楽祭。作曲家ワーグナー自らが『ニーベルングの指環』を上演する為に1876年に創設した音楽祭であり、ここで上演されるのはワーグナーのオペラ作品10演目にのみ限られている。バイロイトは、ワーグナー自ら創設した故事と長い伝統により、多くのオペラファンからは今なおワーグナー上演の総本山と見なされ、世界で最もチケットが取りにくいコンサートでもある。
アドルフ・ヒトラーはワーグナーの信奉者だった。
戦後60年を過ぎた今日では、ワーグナーの音楽をヒトラーの音楽として嫌悪する人はいなくなった。
しかし、【バイロイト音楽祭はナチスのプロパガンダの役割を担ったのか?!】という議論と謎を残したままである。
本書は膨大な資料をもとに、政治と芸術そして個人の生き方を探索する貴重な大著。
下巻:戦中・戦後編 ISBN978-4-87198-568-0 2010年3月下旬発売予定 |
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叢書・20世紀の芸術と文学
山田治生・著
A5判・上製・312頁
本体2800円・税込2940円
ISBN978-4-87198-566-6

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トスカニーニは、「指揮者」の在り方を変えた先駆者、革命的音楽家。
【音楽と音楽界を革新した先駆者として描く評伝】
二〇世紀初頭までは興行師が仕切る社交の場だったオペラハウスを、指揮者が責任を持つ芸術創造の場にし、オーケストラに「音楽監督」というポストを作らせ、今日に至る指揮者の位置づけを確立。
スカラ座、メトロポリタン歌劇場、ニューヨーク・フィル、NBC交響楽団、レコード、ラジオ、テレビ……、
交響楽団と歌劇場の現在のシステムも、ラジオとテレビでのコンサート中継も、すべて、この大指揮者から始まった。
【大指揮者トスカニーニを「その時代」のなかで描く本格評伝】
トスカニーニは、1867年にイタリアのパルマで生まれ、1886年に19歳で指揮者としてデビューし、1954年に引退、1957年に亡くなりました。70年に及ぶ指揮者生活で前人未踏のキャリアを築いた、史上最大の指揮者。
●マーラー、フルトヴェングラー、ストコフスキー、ワルター、ヴェルディ、カタラーニ、ボーイト、プッチーニ――、
これら大音楽家たちと、ライバルであり、友人だったトスカニーニの音楽家人生とは?
●イタリア独立運動からムッソリーニやヒトラーの登場、そして戦争―― 、反ナチズムの立場を鮮明にした芸術家として、この時代を、彼はどう生きたのか?
●ラジオ、テレビ、レコードなどの新メディア・新技術と、どう関わり、どのような影響を与えたのか?
●日本ではよく知られていない、イタリアの地方歌劇場や、南米の歌劇場の当時の実情とは?
●これらを背景にして生まれた、トスカニーニの音楽を考察。
著者・山田治生(やまだはるお)音楽評論家。1964年、京都市生まれ。1987年、慶応義塾大学経済学部卒業。著書に小澤征爾の評伝である『音楽の旅人――ある日本人指揮者の軌跡』(アルファベータ)、『オペラガイド130選』(編著、成美堂出版)、『バイオリンおもしろ雑学事典』(共著、ヤマハ)、訳書『バーンスタインの思い出』(音楽之友社)等。 |